ぼちぼちロンドン

人となりは柔らかく、あり方は力強く。

20171025

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クリスティーズがやってくれた。Leonardo da Vinciの作品で現在残っているのはわずか15点と言われているが、その中でたったひとつの個人の所蔵品、Salvator Mundiがクリスティーズに出品される。見通し価格は1億ドル。長い間マーケットから消えていた作品に、業界は色めき立っている。更にすごいのはこの作品、出品されるNYを離れ、ロンドンと香港を巡回するときた。このリスクとコストは想像を絶するものがある。ただし、私のような凡人にとってはこれほど有難い話はない。早速観に行ってきた。

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学校が休みだったこともあり、平日月曜日の午後に行ったのだが、長蛇の列。東京とちがい、滅多に列を作らない国だから珍しい。しかも場所はオークションハウス。とりあえずイチャつくカップル、ひたすらセルフィーに明け暮れる女子、ご機嫌にお喋りにくれるご婦人方、と過ごし方も人それぞれである。30分強並んだところでやっとご対面。

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実はダヴィンチを生で観るのはこれが初めて。先入観を抜きにしてもすごい。絵にこもる神秘的な空気には圧倒される。オーラがある。特に手元。手元の繊細さ、左手に乗るクリスタルの集める光の粒、(業界を少しざわつかせたが)透明感、こういったディテールが名作と説得してくる。

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良いもの、美しいものを観ると、笑いがこぼれる。またこの地にいるおかげでそんな体験ができたことが嬉しい。もう2度と見ることができないかもしれない作品。ロマンチックではございませんか。夢に見たい。